最新の設備と
的確なアドバイスを
指は日常的に使う部位のため、指が痛く力が入らない、指の動きが悪いなどの症状があると、日常生活に支障をきたすことがあります。 岡田整形外科では、理学療法士による最新の設備でのリハビリテーションと、普段の生活や薬の服用に関する的確なアドバイスで、手首・指の症状改善に繋げます。
ドケルバン腱鞘炎
どけるばんけんしょうえん症状
手首の母指側に腫れと痛みが生じます。母指につく腱のうちの2本(短母指伸筋、長母指外転筋)が、手首の母指側にある腱鞘の部分で炎症を起こして腱がスムーズに動きづらくなります。
女性に多く(男女比1:7~8)、妊娠時・産後や更年期の女性によくみられるほか、スポーツマンや指をよく使う仕事の人にもみられます。
原因・病態
母指の使いすぎによる、手首の母指側での腱鞘炎です。
治療
母指を内側にいれて軽く握り、手首を小指側に曲げると痛みを生じるかどうかで診断します。(Eichhoffテスト)
以下の治療法を、組み合わせながら行います。
・手の安静を保つ
・消炎鎮痛薬の外用、内服
・手の装具による固定
・腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射を行うこともあります
・リハビリテーション(超音波)
上記の保存治療を行っても治らない場合は手術(腱鞘を切離し、腱を開放する)を行うこともあります。
へバーデン結節
へばーでんけっせつ症状
人差し指から小指にかけて、指先の関節(DIP関節)が赤くはれたり、曲がったりします。痛みを伴ったり、突出した骨の隆起(骨棘(こつきょく))を指背側に触れることもあります。うごきが悪くなったり、つまみ動作や強く握る動作で痛みを伴います。水ぶくれのような(ミューカスシスト)ができることもあります。
原因・病態
指の関節に生じた変形性関節症です。女性によくみられ、40-50歳代で約3割、60-70歳代で約7割の方に発症します。
関節リウマチとは異なります。
治療
痛みのある局所に、消炎鎮痛剤入りの外用剤を使用します。テーピングによる指の固定保護のほか、当院ではオーダーメイドの指固定装具の作成も行っています。
ばね指(弾発指 屈筋腱狭窄性腱鞘炎)
ばねゆび症状
手のひらの指の付け根に硬い部分ができ、押さえると痛みを感じます。指を動かすとカクッという引っかかりを感じます。朝起きた時に症状が強く、日中は症状が軽くなることも少なくありません。
原因・病態
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。指を曲げる屈筋腱には、腱の浮き上がりを押さえる靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)というトンネルがあります。指の付け根付近にある腱や腱鞘が炎症を起こして腱鞘炎になると、腱の肥大や腱鞘の肥厚が生じて通過障害を起こします。
屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こり、ゆびの付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象が生じます。これがばね指です。
更年期の女性に起こることが多く、妊娠時・産後に生じることもあります。女性ホルモンの低下による腱鞘の浮腫が原因と考えられています。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人に多いことも特徴です。糖尿病・透析患様にも発生し、母指・中指・環指に多く見られます。
治療
局所の安静で刺激を少なくしましょう。装具をあてて固定することもあります。
腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射をして、症状を抑えます。
再発を繰り返す場合や指が曲がったまま伸びないときなどに、手術を考慮します。腱鞘を切開して腱を開放します。提携先病院を中心に、手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
ガングリオン
症状
関節の周辺や腱鞘(けんしょう)のある所に、米粒大からピンポン玉くらいまでの腫瘤(しゅりゅう)ができます。軟らかいものから硬いものまであります。最もできやすい場所は手関節背側(手の甲側)で、手関節の曲げ伸ばしと共にガングリオンの形状は変化します。その他に手関節掌側(手のひら側)や、指の付け根の腱鞘に多くみられます。腱鞘に出来たものは他の部位と比較して小さいことが多いです。
通常は無症状で、多くの場合強い痛みはありません。ただし神経が圧迫されると痛みやしびれが出ることもあります。
手を使いすぎると腫瘤は大きくなることがあります。足など他の部位にできることもあります。
原因・病態
関節包(関節をつつむふくろ)や腱鞘(腱をつつむさや)の変性により生じます。
女性に多いですが、必ずしも手をよく使う人に多いわけではありません。
治療
ガングリオンは腫瘤のみで無症状なら、放置しても心配はありません。自然に消退することもあります。大きくなるもの、痛みが強いもの、神経が圧迫される症状が出るものには治療が必要です。
エコー(超音波装置)で内容を確認した上で、注射器で穿刺して吸引します。内容物がゼリー状ならガングリオンと診断します。
穿刺吸引しても繰り返し内容物がたまる場合には、手術により摘出することもあります。
穿刺吸引・手術のいずれの治療方法でも、再発する場合があります。
橈骨遠位端骨折
とうこつえんいたんこっせつ症状
手首には強い痛みがあり、腫れを生じます。転位(ずれ)がある場合には変形も伴います。指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定で反対側の手で支える必要があります。手指のしびれが生じたり、後日、母指を伸ばす腱が切れたりすることがあります。
原因・病態
手のひらをついて転んだり、自転車等で転倒して、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首のそば(遠位端)で折れる骨折です。特に閉経後の女性は骨粗鬆症のために骨が弱いことが多く、好発します。若い人でも、高所からの転落や交通事故などで強い外力が加わることで骨折します。
前腕のもう1本の骨である尺骨が同時に折れる場合もあります。
橈骨の手のひら側を走行している正中神経が、折れた骨や腫れで圧迫されることにより、手指のしびれを生じます。
診断にはレントゲン撮影を行います。治療方針の決定のために、CTを追加して行うこともあります。
治療
骨折の転位(ずれ)が軽度であったり、転位があっても整復を行って骨折部が安定している場合は、ギプス固定による保存的治療を行います。成人では4-5週間の固定を行います。ギプス固定中であっても手指は努めて動かすようにします。
整復直後でも骨折部が不安定ですぐにずれるものや、ギプス固定をしても再度転位してしまうような場合には、手術が必要になることもあります。手首の関節面の骨片がずれたままで整復できない場合や、骨折部の粉砕が強く不安定な場合も、手術を選択することがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
マレット指(槌指)
まれっとゆび(ついし・つちゆび)症状
突き指などの外傷後に、手指の第1関節 (DIP 関節)が曲がったままとなり、自分で指を伸ばすことができなくなります(自動伸展不能)。DIP関節部の腫れや痛みを伴うこともあります。
原因・病態
突き指の一種であり、ボールが指先に当たるなどにより起こります。
①腱損傷(けんそんしょう)型(伸筋腱(指を伸ばすスジ)が切れた状態)、②骨折型(伸筋腱がついている骨の一部が折れた状態)、の2つの型があります。
①の腱損傷型は、DIP関節が急に屈曲強制されることで伸筋腱の終末が断裂するタイプで、腫れや痛みなどの症状が軽微なこともあります。②の骨折型は①と反対に症状が強く出やすいですが、伸展機構の連続性が一部保たれるためにDIP屈曲変形が軽度のこともあります。
DIP関節が曲がったままで自分では伸ばすことができなければ(手伝うと伸ばすことができる)、診断は容易です。レントゲンで骨折の有無を確認します。
治療
病型や骨折後の経過期間によって治療は異なります
①腱損傷型では一般に保存療法が行われます。DIP関節を伸展位として、6~8週間の装具・シーネ固定を行い、その後6週間は作業時や就寝時に夜間固定を継続しながら徐々に手指の運動を行います。
②骨折型でも保存療法を原則としますが、骨片が大きい場合(関節面の1/3以上)やDIP関節の亜脱臼を伴う場合は、手術療法を必要とすることがあります。
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